教育者としてのバーンスタイン


みなさん、こんにちは。
今日から
平成23(2011)年度 神在月-神々の集う出雲で体感する
出雲芸術アカデミー オーケストラ・セミナー2011秋

開催です!
 
ご存知の通り、今回はイギリスUKと、アメリUSプログラム。
 
チラシの真ん中には「SYMPHONIC DANCES ウェスト・サイド・ストーリー」とあります。
この曲の作曲者はいわずと知れたバーンスタイン
20世紀を代表する作曲家です。
 
そしてバーンスタインはピアニスト、指揮者、作曲家であるとともに、教育者の顔もあわせ持ちます。
彼の提唱により1990年に始まった国際教育音楽祭パシフィック・ミュージック・フェスティバル―PMF
今や世界的に大変有名な音楽祭です。 
PMFは世界の若手音楽家の育成を目的とした国際教育音楽祭で、毎年夏、札幌を主会場に開催され、期間中は多くのコンサートのほか、広く一般の方にも公開する「オープンリハーサル」や「教育セミナー」も開かれます。
 
バーンスタインは音楽教育を通じて世界平和を求めました。
そのバーンスタインのスピーチをご紹介いたします。
 
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私は今、再び選択に迫られています。
音楽のために、そして音楽を通じて人々のために何をなすのがベストであるか。
神から与えられた残りの時間を、一番最初に愛したピアノに立ち返り、ベートーヴェンソナタ全曲を演奏すべきものなのか。
あるいは指揮者としての活動に専念し、ブラームス交響曲全曲を演奏し続けるべきか。
それとも作曲家としての活動に専念し、様々な曲を作るべきなのか。
71歳にもなれば、そのような問題について、考えるものです。
 
そして、それほど迷うこと無く、このような結論に達したのです。
残ったエネルギーと神があたえたもう時間を教育に捧げ、私が知っていることすべて、分かち合えるものは何でも、(・・・中略・・・)特に若い人たちと分かち合うべきだと。
音楽についてだけでなく、芸術についても、そして芸術についてだけではなく、芸術と人生の関係についても。
更に、自分らしくあることについて、真の自分を知ること、「自分が何であるのかを知ること」、そして最善を尽くすことについても。
このようなことについて、できるだけ多くの人々に伝えることが出来るなら、私はとても幸せです。

(1990年PMF開会式でのスピーチ)
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バーンスタインは1990年の秋、つまりこの第1回目のPMFの後に亡くなりました。
しかし彼の意思は引き継がれ、今も音楽祭は続いています。
ちなみに、昨年2010年はバーンスタイン没後20年で、TVや音楽雑誌などで作品やインタビュー、たくさんのことが紹介されていましたね!
 
アカデミーでは数年前に、アートマネジメントを学ぶために、PMFの運営に関わられた経験をお持ちの先生にいろいろ指導をいただいたことがあります。
その際にバーンスタインPMF、そしてまちや市民との関わりについてお話をうかがいました。
教育ということの意味と重さを感じ、教育機関である出雲芸術アカデミーとしてなにができるのかを考えながらお話をうかがったことを覚えています。
 
 
さあ、そして「出雲芸術アカデミー オーケストラ・セミナー2011秋」は今日11月4日(金)〜6日(日)の日程で、会場出雲市民会館にて行われます!
6日(日)の出雲フィル定期演奏会のプログラムから出雲フィルのご紹介。

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ひと・まち・心のハーモニー
出雲フィルハーモニー交響楽団

 1997年、音楽を通した潤いと活力あるまちづくりを進める出雲市の支援を受けて、出雲フィルハーモニー交響楽団は誕生しました。
 弦楽器奏者がそれほどいなかった出雲に「交響楽団」を根付かせるため、創設当初から次世代の弦楽器奏者の育成も考えられてきました。また「本格的なフルオーケストラ」を目指して誕生した出雲フィルにとって、オーケストラとして充実した活動をすることも重要な使命でした。そこで出雲フィルは音楽監督を置き、初代音楽監督に川上昇氏を、そして2001年からは中井章徳氏を迎えて、常に音楽性の向上を目指してきました。
 1999年にはジュニア弦楽合奏団が誕生し、年々規模も大きくなっていきました。その出雲フィルとジュニアの成長の基盤のもと、2005年にはさらに合唱やリトミックの分野も取り入れられた出雲芸術アカデミーが誕生します。
 市制60周年を記念した委嘱作品「頌歌 天地のるつぼ ―出雲讃歌―」では、オーケストラと合唱とによる演奏が実現しました。これをきっかけに、出雲における器楽と声楽との演奏の活動が広がり、2007年の「カルメン」、2010年の「椿姫」の出雲オペラにも発展しています。
 そして現在、出雲フィルの定期演奏会は、地域の音楽資源の向上・発展に寄与することを目的として、2008年から『出雲芸術アカデミー オーケストラセミナー』として開催しています。指導者と参加者によるオーケストラの演奏会を開き、「音楽の贈り物」として、ユースチケットで若者にコンサートに出かけやすい機会を提供したり、終演後、託児室にいる子どもたちにナマの演奏を届けたりします。またセミナーの期間中、指導者が近隣の学校に出向いて指導するなど、地域との交流プログラムも行われています。
 今では定期演奏会ごとに市内からはもちろん、遠く県外からもお客様においでいただくようになりました。神在月に神々が出雲に集うように、音楽を通じて人やこころがたくさんのまちから出雲に集い、ハーモニーとなります。
 出雲フィルは単独で生まれましたが、今ではオーケストラ以外の分野をも巻き込み、芸術文化の活動が出雲に根付きつつあります。
 こうした機会を通じ、市民の方がクラシック音楽をより身近に感じ、生活の中で楽しんでいただけるようになれば、何よりの喜びです。
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本日11月4日(金)のスケジュールはこちら。
13:00- 設営等
18:50-19:00 ガイダンス
19:00-21:40 リハーサル
 
*夕方は市内の高校に楽器指導にうかがいます!
  
これからたくさんの人が出雲に集まりますね♪
 
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国際教育音楽祭PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)