アカデミーの顧問ならびに理事長からのごあいさつ


みなさん、こんにちは。
12月を迎えましたね。
出雲では12月と思えないうららかなお天気です♪
 
さておよそひと月前の11月7日(日)に開催されたのは何だったでしょう?
出雲フィルの第13回定期演奏会でした!
いよいよ12月ということで(?)今年唯一の定期演奏会のプログラムにも掲載されました、ごあいさつ文をみなさまへご紹介いたします。
 (当日、ならびに三日間のオーケストラセミナーのようすはこちらから その1 その2 その3

 
出雲芸術アカデミー顧問 出雲市長 長岡 秀人
ならびに
出雲芸術アカデミー 理事長  出雲フィルハーモニー交響楽団 団長 米山 道雄
から、定期演奏会へご来場の方もそうでない方も、みなさまへのごあいさつです。
どうぞご覧ください。



ごあいさつ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 本日は、出雲フィルハーモニー交響楽団第13回定期演奏会にご来場いただき、誠にありがとうございます。また、平成9年3月1日の第1回定期演奏会以来、多くの市民の皆さまに支えられ今日を迎えられたことに対し深く感謝申しあげます。
 出雲フィルハーモニー交響楽団は、この演奏会に向け指揮者或いは各楽器の指導者からオーケストラトレーニングを受け、その研究発表の場として本日を迎えております。その成果として、ご来場いただきました皆さまの心に響く演奏を皆さまにお届けできるものと思っております。
 また、オープニングでは、出雲芸術アカデミー音楽院で学ぶ小学生から高校生の子どもたちを中心に編成する「出雲芸術アカデミージュニアオーケストラ」が出演します。その姿からは想像できない大人顔負けの迫力ある演奏、また年々成長している出雲の子どもたちの素晴らしい演奏をお楽しみください。
 なお、出雲フィルハーモニー交響楽団では、演奏会のほか指導者が市内の学校へ出向いて子どもたちの指導をするなど、地域との交流プログラムも行っています。今後も、出雲芸術アカデミー音楽院で学ぶ子どもたちにとって大きな目標であり続けるとともに、こうした機会を重ね次世代を担う子どもたちの豊かな心を育みながら、この出雲の音楽文化の振興に努めて参りますので、一層のご支援を賜りますようお願い申しあげます。
 では、聴きなれた管弦楽曲で構成する「名曲プロムナード・シリーズ」をお楽しみください。
 
     出雲芸術アカデミー 顧問
     出雲市長 長岡 秀人

 
 

出フィルの願い
「続ける」エネルギーと情熱、そして暮らしの中の一部でありたい。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 「ことを興す」ことは大変なことである。
 明治5年(1872年)音楽教育のはじまりである。「音楽は人情を発する要具にして、喜怒哀楽の情、自らその音調にあらわれるものである。希臘(ギリシャ)の哲人ピタゴラス以来数千年の研究により頂点に達したもので、不充分な東洋音楽を培育完成することもこの策なり・・」(教育法令原文) 永い年月を経て「西洋音楽」をわがものにし、学び、楽しみ、技においては世界の中に君臨する芸術家も現れる今日、130年前の「事はじめ」の苦労は想像もできない。
 さて、平成9年(1997年)、芸術文化によるまちづくりを目指す出雲市の全面支援で「出雲フィルハーモニー交響楽団」が創設された。目指すのは(1)地域に親しまれるオーケストラ。(2)質の高い演奏活動を通じて音楽の振興を図り、特に後継者の育成につとめる。平成10年(1998年)3月の初演は誕生の感激であった。
 ところがオーケストラの基盤となる弦楽器奏者の数は、この小都市では限界があった。市外、県外の助演者の支援は5年間認めようと団長(当時の市長)の弁、しかし、そう簡単に片付くものではなかった。「ステージに知らん人ばかり」の定期演奏会も確かに続いた。市の支援、よその人の力を頂いてのよちよち歩きだ。「同好会」ではない「好きなもの集まれ」ではない難しさ。
 本当に金の要ることばかり、それなのにレベルの上がらぬ悩み。そこで出雲芸術アカデミーの誕生となる。平成17年(2005年)の開校以来、みんなが学ぶ姿勢を貫くこととなり、現在、専門家も愛好家も共に講座「オーケストラ・レパートリー」の一員に、出雲フィルの演奏会は「オーケストラセミナー」となった。そうしてやっとセミナーの指導者、地元と地元出身のプレーヤー(セミナー参加者)とでの演奏となり、旗を揚げてから13年目、ようやく旗の振れる日がやってきた。成長した子どもたちは、出雲フィルにも出雲オペラのピットの中にも真剣に挑む姿となっている。音大で頑張っている修了生もあちこち、明るい遠くが見えはじめ、「良いモノづくり」には年月と集中の時間は必要だったと感じる。
 なのに、先般「仕分け」の指摘のなかで「出雲にオーケストラが要るのか」と迫られた。でも今、市民のためにも旗は降ろせない。子どもたちのためにも続けなければならない。これまでに要したみんなのエネルギーと計り知れない情熱は、前へ前へと向けたいのです。人づくり、街づくりの五つ星を目指す出雲のために役立ちたいと強く叫びます。
 今少し、見守ってほしい。聴いてほしい。きびしく、あたたかく。
 
     出雲芸術アカデミー 理事長
     出雲フィルハーモニー交響楽団 団長
     米山 道雄

  2010年11月7日『出雲フィルハーモニー交響楽団 第13回定期演奏会』プログラムから